御祭神とご神徳

長野の地を見守る、21柱の神々

埼玉県行田市桜町に鎮座する久伊豆神社には、大己貴命(おおなむちのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)をはじめ、21柱の神々が祀られています。

国造りや縁結び、五穀豊穣を司る神々、火や水など自然の恵みを守る神々、学問や人々の暮らしを見守る神々。それぞれの神様には、古くからさまざまな願いが寄せられてきました。

明治42年(1909年)には、地域に祀られていた26社が久伊豆神社に合祀されたと伝えられています。多くの神々をお祀りする久伊豆神社には、長野の人々が大切にしてきた信仰の歴史が息づいています。

中心となる御祭神

1. 大己貴命(おおなむちのみこと)

主なご神徳:縁結び・五穀豊穣・商売繁盛・家内安全

大国主命(おおくにぬしのみこと)の別名として知られる神様です。『古事記』や『日本書紀』に登場し、国造りを進め、人々が豊かに暮らせる国土を築いたと伝えられています。

縁結びの神として広く親しまれるほか、農業や産業の繁栄、人々の暮らしを守る神様として信仰されています。

2. 事代主命(ことしろぬしのみこと)

主なご神徳:商売繁盛・開運招福・豊漁・家内安全

大己貴命の御子神で、国譲り神話に登場する神様です。恵比寿神とも結びつけられ、福を招く神様として親しまれています。

特に商売繁盛や豊漁、日々の暮らしの繁栄を願う信仰を集めています。

火と暮らしを守る神々

3. 軻遇突智命(かぐつちのみこと)

主なご神徳:火難除け・防火・産業守護

伊弉諾命と伊弉册命の間に生まれた火の神様です。

火は暮らしを支える大切な恵みである一方、災いをもたらすこともあります。そのため、火の力を鎮め、火災から家や地域を守る神様として信仰されています。

4. 素盞嗚命(すさのおのみこと)

主なご神徳:厄除け・災難除け・疫病除け

日本神話に登場する勇壮な神様で、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した物語で知られています。

困難や災いを退ける力を持つ神様として、厄除けや疫病除け、家族の安全を願う信仰を集めています。

5. 奥津彦命(おきつひこのみこと)

主なご神徳:火難除け・家内安全・家庭繁栄

奥津比賣命とともに、竈(かまど)を守護する神様です。

かつて竈は家庭の食事を作り、日々の暮らしを支える大切な場所でした。その火を守り、家庭の安全と繁栄を見守る神様として信仰されています。

6. 奥津比賣命(おきつひめのみこと)

主なご神徳:台所守護・火難除け・家内安全

奥津彦命と対になって祀られる、竈を守る女神です。

食を通じて人々の命を支え、家庭に安らぎと豊かさをもたらす神様として崇敬されています。

7. 火産霊命(ほむすびのみこと)

主なご神徳:防火・火難除け・産業守護

火を生み出す霊力を象徴する神様です。一般に軻遇突智命と同じ火の神を表す異なる神名とされています。

火の恵みを生かしながら災いを防ぐ神様として、家庭や産業の安全を守る信仰につながっています。

五穀豊穣と自然の恵みを司る神々

8. 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)

主なご神徳:五穀豊穣・商売繁盛・家内安全

稲や穀物の豊かな実りを司る神様で、稲荷神として全国各地で祀られています。

農作物の豊作を願う信仰から、商売繁盛や産業の発展を願う信仰へと広がりました。

9. 罔象女命(みずはのめのみこと)

主なご神徳:水の恵み・農業守護・水難除け

水を司る女神で、『日本書紀』の神生み神話に登場します。

水は農作物を育て、人々の暮らしを支える欠かせない存在です。清らかな水の恵みと、水による災いからの守護を願う神様として信仰されています。

10. 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)

主なご神徳:水難除け・交通安全・芸能上達・財福

宗像三女神の一柱として知られる女神です。

古くから海や水上交通を守る神様として信仰され、後に弁財天とも結びつきました。そのため、芸能や音楽、財福を司る神様としても親しまれています。

11. 瑞津姫命(みずつひめのみこと)

主なご神徳:海上安全・交通安全・水の守護

久伊豆神社の御祭神として伝えられる女神です。

宗像三女神の一柱である湍津姫神(たぎつひめのかみ)との関連が考えられますが、神名の表記や由来には確認が必要です。

宗像三女神は、古くから海上交通や道中の安全を守護する神々として広く信仰されています。

12. 田霧姫命(たぎりひめのみこと)

主なご神徳:海上安全・交通安全・災難除け

宗像三女神の一柱である田心姫神(たごりひめのかみ)や多紀理毘売命(たぎりびめのみこと)に関連する女神です。

海や航海の安全を守る神様として知られ、人々の旅路や暮らしの安全を願う信仰につながっています。

道と安全を守る神々

13. 八衢彦命(やちまたひこのみこと)

主なご神徳:交通安全・道中安全・災難除け

道が分かれる場所や、人々が行き交う道を守護する神様です。

古くから道の分岐点や村の境界には、外から災いが入り込まないよう神々が祀られてきました。八衢彦命も、旅の安全や地域の守護を願う信仰と結びついています。

14. 八衢姫命(やちまたひめのみこと)

主なご神徳:交通安全・道中安全・厄除け

八衢彦命とともに道や境界を守る女神です。

人々が安心して行き来できることを願い、旅や交通の安全を守護する神様として信仰されています。

光・学問・繁栄をもたらす神々

15. 大日孁貴命(おおひるめむちのみこと)

主なご神徳:国家安泰・開運招福・五穀豊穣

天照大神(あまてらすおおみかみ)の別名として知られる神様です。

太陽の光によって天地を照らし、万物の成長を支える神様として、日本の神話や神道において大切にされています。

16. 菅原道眞公(すがわらみちざねこう)

主なご神徳:学業成就・合格祈願・学問上達

平安時代の学者・政治家であり、学問の神様「天神様」として広く親しまれています。

優れた学識と文才を持っていたことから、学業の成就や試験の合格、知識や技芸の向上を願う人々の信仰を集めています。

17. 源家康公(みなもとのいえやすこう)

主なご神徳:勝運・出世開運・家内安全

江戸幕府を開いた徳川家康公を指すと考えられる御祭神です。

徳川家康公は没後、東照大権現として祀られ、平和や国家の安泰を願う信仰の対象となりました。

その生涯にちなみ、勝運や出世開運、家内安全などの神徳が伝えられています。

木々と生命を司る神

18. 句句迺知命(くくのちのみこと)

主なご神徳:樹木の成長・山林守護・自然の恵み

伊弉諾命と伊弉册命の神生み神話に登場する木の神様です。

木々の成長や森林の生命力を象徴し、山林の豊かさや自然の恵みを守る神様として信仰されています。

国生みと縁結びの神々

19. 伊弉諾命(いざなぎのみこと)

主なご神徳:夫婦円満・家内安全・厄除け

伊弉册命とともに日本の国土や多くの神々を生み出したと伝えられる男神です。

また、黄泉の国から戻った後に禊を行った神話でも知られ、心身を清め、災いを祓う信仰と結びついています。

20. 伊弉册命(いざなみのみこと)

主なご神徳:夫婦円満・子授け・安産・家内安全

伊弉諾命とともに国土や多くの神々を生んだ女神です。

生命を生み育む神様として、子授けや安産、家族の繁栄を願う人々に崇敬されています。

21. 菊理姫命(くくりひめのみこと)

主なご神徳:縁結び・夫婦円満・和合

『日本書紀』に登場する女神で、伊弉諾命と伊弉册命が黄泉の国で別れる場面に姿を現します。

後に白山信仰の中心的な神様として崇敬され、人と人との縁を結び、争いを和らげ、調和をもたらす神様として親しまれています。

21柱の神々と、長野の人々の祈り

久伊豆神社に祀られる21柱の神々には、自然の恵みへの感謝、災いからの守護、家族の健康、仕事や学問の成就、人と人との良き縁など、さまざまな願いが込められています。

かつて農業を中心とした暮らしが営まれていた長野の地では、五穀豊穣や天候の安定、家族の安全を願う祈りが、日々の生活と深く結びついていました。

時代とともに暮らしの形が変わっても、幸福や平穏を願う人々の思いは変わりません。

久伊豆神社は、地域のさまざまな信仰を受け継ぎながら、これからも長野の地と人々の暮らしを見守り続けます。


※ご神徳は、各御祭神について全国の神社や神話・伝承で一般的に知られている信仰を紹介したものです。久伊豆神社独自の御祈祷・御利益を保証するものではありません。